humgfk’s blog

趣味(主に旅行)について書きます

東大のTLP(Tri Lingual Program)ドイツ語の紹介

目次

  1. Advent Calendar 2020/12/05
  2. TLPについて
  3. 実際に参加してみて
  4. 閲覧ありがとうございます
  5. TLPに関する個人ブログ

Advent Calendar 2020/12/05

Advent Calendarに向けて書くことないか探していた時に思いついたのと、まだ記憶に残っているうちに記録に残しておこうと思ったので 表記の内容について書くことにしました。少し検索してみても、東大が発行する経験者談しかなさそうなので、情報を増やすという意味でも良いかもしれない。 例年開かれていたカウフマン先生のクリスマスパーティー(後述)が毎年この時期に駒場で開かれていましたが、今年はコロナでなさそうで残念です。

TLPについて

TLPとは?

詳しくは教養学部のウェブサイトにありますが、簡単に言うと、既に英語はそこそこ身についてそうだから大学から始める第二外国語も極めてみない?ということを目的としたプログラムです。 このプログラムは1年生の夏学期(1S)は2年生の夏学期(2S)まで続き、プログラムの終了要件を満たした人には修了書が2年生の終わりに授与されます。 TLPドイツ語は2016年に発足しました。

プログラムに参加すると

授業

各学期において、第二外国語の授業が必修以外にインテンシブという授業が3つ加わります(教養学部にはTLP生以外のためのインテンシブもあります)。 内2つは日本語が話せないドイツ人の先生による授業、残りの1つは日本人の先生による授業です。 ドイツ人の先生の授業は基本的にはドイツ語で、補助として英語で行われます。 もちろん、最初は英語が多いのですが、しばらくすると普通にドイツ語を話してきます。 全く聞き取れなくても問題はないです。 1Sの間は第二外国語の授業が必修で2コマあるので、TLPにはいると文字通り毎日第二外国語を受けることになります。 1Aは必修の授業が1つになり、2Sでは必修がなくなるので、授業の数としては減っていきますが、その分次第に内容が重くなっていきます。 必修も含め毎回の授業で宿題が課されるので大変ではありますが、その分発達も早いです。テストは必修のテストとは別に先生ごとにあります(日本人の先生とドイツ人の先生で各1つ、計2つ)。テストは授業期間内に行われるので、語学以外の科目のテストラッシュにはかぶりません。 2016年の場合、教員は

でした。 教員は代によって変わるようですが、人数は3人です。 教科書は必修の授業と同じものと、Daf Leichtというドイツ語で書かれた教科書を使いました。

短期留学・短期研修

TLPに参加すると、夏または春休み期間中に短期研修に行く機会が与えられます(ドイツ語の場合)。 大学からの補助金が支給され、ただではありませんがかなりお得に研修に行くことができます。 2016、2017年は夏冬ともにドイツのボンでした。 ドイツに実際におもむき、ドイツ人にドイツ語を学びドイツ人とドイツ語を話してみる。良い経験になるでしょう。

クリスマスパーティー Weihnachtsfeier

クリスマスパーティはドイツ語でWeihnachtsfeier(Weihnacht:クリスマス、feier:祝い)です。 どこかで見聞きしたことがあるかもしれませんが、ドイツのクリスマスマーケットは有名です。 クリスマスの時期になると駒場でカウフマン先生が毎年手作りの料理をふるまってくれます。 参加費は多少かかります(1000円もしません)。 ザワークラウトやグリューヴァインといったドイツの郷土料理が楽しめます。 また、最後にはシュトーレンも登場します。 パーティーに参加するとTLPに入っててよかったなと思うでしょう。

TLPのクラス編成

TLP中国語にはTLP生しかいないクラスが文理に1つずつ存在しますが、ほかの言語ではTLP生は複数のクラスに散らばっています。 そのため、他クラスのTLP生に会うのはTLPの授業の時のみです。 科類ごとに必修の時間割が異なるのでTLP全員で授業を受けることはなく、ドイツ語では2つに分けられます。 2016年入学の代は文系・理1クラスと、理23クラスに、2017年は文12理23クラスと文3理1クラスに分かれていました。

プログラムに参加するには

プログラムには

  • 1Sから入る
  • 途中から入る、すなわち1年生の秋学期(1A)から、または2Sから

の二つがあります。

前者

1Sから入るには東大の入学試験の英語で上位一割をとる必要があります。2016年の場合は86点、2017年の場合は89点でした。 上位一割に入るとTLP参加資格が与えられます。 TLPのプログラムには言語毎に定員があり、定員以上の応募があると入試の英語の点数で比較されます。 そのため、2016年の場合、人気が高かったTLPフランス語には86点では入れませんでしたが、その他の言語に関しては86点で入れました。

後者

参加したい言語のTLPの定員に空きがあれば、1Aまたは2Sの学期が始まる前に参加申し込みができます。 ただし、英語の成績が良い必要があります。 東大には英語の授業の一つに英語一列というものが1Sと1Aにあります。 英語一列は複数のクラスで同時に受けるため、英語の習熟度別にクラスわけ(G1, G2, G3)されます。 1Sのクラスは入試の英語の点数で分けられており、上位1割に入った人は皆G1です。 この授業は学期末に試験があり、その成績によって次の学期のクラス分けが行われます。 TLPに途中から入るには、この英語の試験でG1にはいる必要があります。 1SでG1に入っていても1AではG1から落ちる人もいるので、テスト対策を頑張れば1AからG1に入ることは不可能ではありません。 しかし、自分がG1かどうかは授業が始まるまでわからないので、TLPの参加申し込みをする段階ではG1に入っていることを願うしかないのです。 申し込みが通ったらTLPの先生方と面接があります。 ここではプログラムに途中から入っても問題ないか、第二外国語でも面接が行われます。 この面接も通過すると、次の学期からTLPに参加することができます。

プログラムの継続

プログラムの継続は比較的楽で、第二外国語の必修の授業の成績が優(80点以上)であれば、英語の成績が悪くても継続できます。 楽といっても何もせずに優は取れないので、TLPの授業についていったうえで最低限の勉強(単語覚えたり)はしなければなりません。

プログラムの修了

プログラムの修了要件は

  • 第二外国語が規定の水準にあること
  • 英語が規定の水準にあること

の2つです。

第二外国語

TLPの授業の学期末にある試験でしっかり点数を取る、または第二外国語の公的な試験(ドイツ語の場合はGoethe)を受けることが必要です。

英語

1Aの英語の期末試験においてG1相当の成績をとるか、IELTSでover all 7.0以上が必要です。

修了率は半分ぐらいでしょうか。途中で抜ける人は結構います。

実際に参加してみて

入る前は帰国子女だらけでついていけないんだろうなと思っていました。 私の代は帰国子女が半分くらい?でしたが、一つ下はほとんど帰国子女だったそうです。 純ジャパにとって、英語に関しては帰国子女に劣りますがドイツ語は皆平等に0からです。 大学からの頑張りで何とかなります。 英語やドイツ語でドイツ語の授業を受けるのに最初は抵抗があるかもしれませんが、慣れです。 何も恐れる必要はないでしょう。 宿題はしんどいと思います。 ただ、語学を身に着けるのに必要な過程だと割り切れば耐えることができます。 1年生の内は毎日授業後に図書館でドイツ語を勉強していました。 のど元過ぎれば熱さを忘れる、今となってはいい思い出です。 私は紙辞書を使っていたためかなり時間がかかったので電子辞書やネットの辞書をお勧めします。 先生方は優しい方ばかりで結構緩いですが、全くの放任主義というわけではなくサポートを求めれば授業外でもサポートしてもらえます。 短期研修やドイツ大使館の訪問といった課外活動も含めプログラムはとても充実していました。また、ドイツ語以外にプログラムを通して得たものとして友達が上げられます。日本で開かれるドイツの祭り(フリューリングフェストやオクトーバーフェスト)に足を運んだり、旅行にいったりしました。クラスやサークルを含め、何かに熱中する中で得られる関係はかけがえのないものです。TLPに入る機会があれば是非入ってみてください。 ただ、理科生にとって残念なのが、TLPでいくら頑張ろうがL系列(語学)の枠は小さく進学選択においてはたいして役に立ちません。それでも、TLPの成績は基本的に優がもらえること、取得単位数が増えることから、単位と成績の積で順位付けを行う農学部や成績の良いものから順に重みづけを行う一部の学部学科(第二段階)では有利です。一方文科生はL系列の枠が大きいので進学選択では困らないでしょう。

短期研修 Wintershule in Bonn

Wintershuleは英語でwinter schoolです。 研修は平日こそ授業はあれど休日はボンの中心街に行ったり近郊に遠足に行ってました。平日の授業について、午前中はドイツ人の先生がホテルの会議室でドイツ語の授業をしてくれました。午後は別の講師の講義を聞いたり、ボンの街に出かけて午前中の授業の実践みたいなことをしていました。以下、短期研修にて自分で撮った写真をおいておこうかと思います。
ドイツは大学の学費が無料です。

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ボン大学

 

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ボンの街並み


ボンはベートーヴェンの生誕地です。旧西ドイツの首都でもあります。

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ベートーヴェン


ある休日にはボンのすぐ近くにあるケルンに行きました。 ケルンはライン川沿いの都市でオーデコロン発祥の地です。

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ケルン大聖堂


ケルン大聖堂の塔はしんどいですが上ることができます。

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ケルン大聖堂から


ドイツではムール貝がよく食べられます。

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ムール貝


デュッセルドルフにも行きました。デュッセルドルフはカウフマン先生の出身地です。

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デュッセルドルフ


中心地から少し離れると不思議な建物が。

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前衛的な建物


とある平日の午後にはドイチェヴェレを訪問しました。 ここはドイツ語でニュースの報道などをしているのでドイツ語の勉強に利用してみてはいかがでしょうか。無料です。

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ドイチェヴェレ


雪が降りました。

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泊まっていたホテル


アーヘンに来ましたがパレードをやっていたようです。

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アーヘンにて


別の日の遠足できた庭です。

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ドイツといえばビールです。ボンシュはボンのクラフトビールみたいなもんです。

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ボンシュ


丘に登りました。 右手に見える川はライン川です。

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飛行機雲

 

閲覧ありがとうございます

グローバル化により英語さえわかればどこ行っても問題なく過ごせます。 しかし、非英語圏の人を、文化を真に理解するにはその国の言葉が必要です。 外国語を学ぶ環境がかなり整備されている今、英語だけでなくもっと世界を広げてみませんか。

大学生へ

言語を学ぶにあたって大学ほどお得な場所はないです。第3、第4と手を出すとよいと思います。語学は時間がかかりますし、毎回授業の課題がでると思うので大変かもしれませんが、大学を卒業してから外国語学習をしようと思うとお金がかかるので、初歩だけでも学ぶことをお勧めします。初歩がわかればその先は自分で学べます。

未来のTLP生へ

東大入ったら気が付くと思いますが、今の時代英語はできて当たり前となっています。英語だけでなくもう1つ言語を身に着ければ情報源も増えますし、就活的なことを言えば市場価値が高まります。

戯言

映画やドラマを見ていて、登場人物が実際にしゃべっていることと字幕の日本語が違うなと思うことはありませんか。 このようなことが起こるのは一度翻訳者を通しているからです。 内容がわかりやすくなる等の良い場合もありますが必ずしもそうではないです。 翻訳者が翻訳したものは翻訳者の知識と経験の範囲を超えることはありません。 元の言語でなんていわれているか、書かれているかは原文を読み原文の雰囲気を感じ自らつかみ取らなくてはならないのです。

TLPに関する個人ブログ

TLPについて述べている個人ブログを勝手に張ります。気になる人は他の言語の話や他のTLP生の感想も覗いてみるとよいです。法人のは載せません。また、他人の話をしているブログも載せません。

  1. https://pando.life/riroshy/article/40104(ロシア語)
  2. http://www.turfc.com/blog_detail/blog_id=21&id=1367(フランス語)
  3. https://books-introduction.com/2020/06/17/todaitlp/(中国語)
  4. https://yukihayasaka.hatenablog.com/entry/2016/09/03/%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E3%81%AE%E6%8E%88%E6%A5%AD(中国語)